cemetrygates’s blog

墓地の入り口で君と待ち合わせ

4年間の“IF“とFANTASTICS ARENA TOUR「INTERSTELLATIC FANTASTIC」@240211三重県営サンアリーナ

FANTASTICS from EXILE TRIBEのアリーナツアー「INTERSTELLATIC FANTASTIC」の初日、三重県営サンアリーナに行ってきました。

洗練されたSF映画のようなコンセプト(幕前映像はGOTGかタイカワイティティのソーか?ってくらいファニーでカラフル!世界さん監修?)とステージング、従来の楽曲も大胆にアレンジするサプライズ。元々パフォーマーグループだった出自を思わせるダンスへの情熱。彼らの人となりを感じる人懐っこさとユーモア、それを実現させる表現力。見る者すべて見捨てない包容力と茶目っ気。根底に流れるLDHスタイル。

初日で前情報なしゆえ全てが初見で驚きの連続だったし、何度か彼らのライブに足を運んでいる私も見たことない側面いっぱいで「ファンタ、これがやりたかったのね!」と言いたくなる、あったけえ大エンタメライブでした。あと他所のフェスに出演して、よい影響もあったのかな?

まじでこのツアーいいよー!自身の都合でもう見れないのが寂しすぎて既にロス。某曲のダブステップVer.だけでも何とか音源化してほしい。

 

そして今回、ライブ中に何度と仄めかされた2020年のこと。

この日のMCでも何度か触れてましたが、FANTASTICSは2020年にアリーナツアー「FNT」を開催する予定でした。知っての通りLDHは2月24日のEXILE京セラドーム以降、年内全ての公演を中止。その数は未発表の公演を含めると300以上に及びました。その中にファンタのツアーも含まれており、当時はまだ何もかも手探り状態で感染拡大状況を見ながらの判断ゆえ、中止はかなり間際でした。

 

2020年はツアーが始まっていたEXILE、THE RAMPAGEとBALLISTIK BOYZ以外のアーティストは全てお蔵入り。どんな公演を行うつもりだったのかもうわかりません。ただファンタは2020年のオンラインライブで幕前映像や衣装を使ってたのかな?ボタニカルな雰囲気だったので今ツアーとはまた趣向が違いそうでしたが。

 

直前まで準備していたアリーナツアーの中止、スケジュールが白紙となる自宅待機期間、再びのホールツアー。彼らを襲ったいきなりの挫折と焦燥感は想像に難くないです。某モキュメンタリードラマでも30代を控えて焦るメンバーと20代前半のメンバーとのギャップが語られてたけど、あながち台詞ではないのかも…と感じました。

 

今回のツアー、ラストに現れる「前人未到の彼方へ Butterfly Effect」という言葉。

そしてツアー用ハッシュタグ「#IF_FNT」。

IFとは「INTERSTALLATIC FANTASTIC」の略でもあり「if(もしも)」でもあるんじゃないか。

もしFNTが開催されていたら。そういう思いを残しながら過ごした彼らの4年弱に思いを馳せてしまう。

歌から演技、大喜利までバリエーション豊富すぎるお仕事をこなしてきたファンタ。今日までの道程には、そんなifをずっと抱えてきたのかもしれません。

もちろん4年間は短い時間ではなく、焦燥感は看過できないものだったでしょう。

 

しかし、この4年間に八木勇征くんが俳優としてもブレイクし従来のファン層以外にも注目を集めました。堀夏喜さんはそのセンスを衣装やアパレルで昇華し、数々のドラマで主演格で起用される佐藤大樹さんをはじめ、他のメンバーも様々なメディアに登場することが珍しくなくなりました。

 

こういった実績を積み重ねて手にした今回のツアーだからこそ、隅々までオーガナイズされてるんだろうなと感じてます。4年前のファンタなら、会場内での撮影にあれほど注意喚起しなかったかもだし、スタンド席に突然現れるサプライズを決行する勇気を出せなかったかもしれないし、「こういう曲を作ってほしい」と作家に依頼する発言権も手にしていなかったかもしれません。

とりわけ澤本夏輝さんの美しいコンテンポラリー風パフォーマンスは4年の熟成と色気を感じ、口半開きで見入ってしまいました。逆に翔太くんと共に青春時代を過ごした瀬口黎弥くんのラップパート(ピンクのジャンパーを着て!)は「変わらない絆」の尊さにグッときました。

可愛らしさが先に来る中島颯太くんと木村慧人くんの今まで見たことない表現にどぎまぎしたり。

 

「アリーナツアーが開催されなかった世界線」を一歩一歩進んできたFANTASTICSだけど、もうそんな世界線は現実にはなくなった。ちゃんと最高のアリーナツアーを迎えられた。バタフライエフェクトなどなかった。

歩き方もわからないまま遥か宇宙を目指した

愚かで勇敢な僕らだけが辿り着いた今日

そんなことを考えながらSTARBOYSの歌詞を噛み締めていました。

前人未到の彼方へ旅立つ彼らの未来が明るく在らんことを。


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